「自主共済の適用除外を実現させるー全国学習交流集会」の基調報告と学習講演に関するご案内

 2009年1月30日に「共済の今日と未来を考える懇話会」(以下、全国懇話会)が主催した表記の全国学習交流集会の基調提案と学習講演の各報告内容が資料としてまとまりましたのでご案内します。
 なお、当日の概要につきましては、当ホームページの「新着情報」(バックナンバー:「第1回国会行動」と「自主共済の適用除外を実現させる-全国学習交流集会」に多数ご参加いただき、ありがとうございました)をご参照いただければ幸いです。

◎基調提案
 当日の基調提案は、全国懇話会の窓口団体である日本勤労者山岳連盟の斎藤義孝理事長が担当。
 斎藤理事長からの基調提案は、「新保険業法による規制と自主共済のたたかい」(基調提案レジュメ)と題して行われました。
 当日の報告内容は、「基調提案(当日の報告)」をご参照ください。



◎学習講演
 学習講演は、共済研究会の相馬健次さんに講師をお願いしました。講演は、「『今日の共済規制問題と共済の復権』-改めて『自主共済』の理解を深めながら-」と題して行われました。
 学習講演の内容は、「学習講演」と「学習講演(レジュメと資料)」をご参照ください。





 

 

 

 

「第1回国会行動」と「自主共済の適用除外を実現させる-全国学習交流集会」に多数ご参加いただき、ありがとうございました

 「共済の今日と未来を考える懇話会」(以下、「全国懇話会」と呼びます)は2009年1月29日、自主共済を守り抜くために、全国の地域懇話会の皆様にご案内して、当日は多数のご参加をいただき、国会行動を終日実施しました。
 また、1月30日には「自主共済の適用除外を実現させる―全国学習交流集会」を開催し、これまでの運動の進展と今後の課題、行動計画などを含めた学習と経験を交流しました。
 両日とも100人を超える参加者があり、元気いっぱいの国会行動と全国学習交流集会になりました。この場をおかりして、ご協力いただきました、参加者と全国の地域懇話会や諸団体の皆様、応援してくださったすべての皆様に心からお礼申し上げます。

■第1回国会行動を実施しました

この日の予定、訴えのポイント、資料の説明と行動を打ち合わせる参加者

 1月29日(木)の国会行動では、衆参両院の財務金融委員を中心に、これまで「自主共済」を守る運動に理解と協力を寄せてくださった各党の有力な国会議員、そして各都道府県選出の国会議員に、自主共済の6つの特徴(※)と現状を説明し、「ニセ共済」と明確に区別できることを訴えて、直ちに救済措置を講じるとともに、新保険業法の適用除外を実現するよう求めました。
 与野党国会議員や秘書の皆様から、激励や助言を多数お寄せいただきました。この日、陳情に応じてくださった与党議員の中からは、金融庁に現行の新保険業法の中でも適用除外ができないかを照会するとともに、議員自身も研究を約束するなどの対応もありました。
 各党国会議員への陳情行動は、全体として、与野党を問わず各国会議員や秘書らに、自主共済の適用除外要求への理解が広がってきているとの報告が寄せられました。

(※)自主共済の6つの特徴;1)社会運動組織が母体となっていること、2)非営利であること、3)共済事業が母体組織の活動の一部を構成していること、4)自治的民主的に運営されていること、5)財政的に自立していること、6)社会保障等公的保障に対する補完の役割を果たしていること。
この6つの特徴に照らせば、「共済」の名を騙る営利の保険事業者、「ニセ共済」と自主共済は明確に区別することが可能です。国会の責任で、行き過ぎた規制を強いる新保険業法を見直して、自主共済の適用除外を実現させるよう、引き続き「6つの特徴」を説明して協力を求めていくことが重要です。


 

■院内で「自主共済の適用除外を実現させる―全国学習交流集会」を開催
 国会行動翌日の1月30日(金)には、全国懇話会が主催して、参議院議員会館内で「自主共済の適用除外を実現させる―全国学習交流集会」を開催しました。
 基調提案では、適用除外運動の経過と到達点、今後の課題や行動への提起がありました。続いて行われた学習講演では、共済規制の歴史と今日的特徴、自主共済の性格付け、「ニセ共済」が旧保険業法でも規制が可能だったことを、新保険業法に関わった金融庁担当官の著書を引用して解明。契約者保護のはずが保険会社を利する「規制」に変えられてしまったことを説明しました。さらに、公益法人の共済をめぐる動向、協同組合共済への新たな規制が始まっていることなどにもふれ、全ての共済との大同団結の重要性を学び、全国の活動経験を交流しました。

 基調提案;「新保険業法による規制と自主共済のたたかい」

基調提案をする全国懇話会(窓口団体;日本勤労者山岳連盟=労山理事長)の斉藤義孝さんと参加者

 午前の部は、全国保険医団体連合会の住江憲勇さんが司会を務め、最初に「全国懇話会」の窓口団体(日本勤労者山岳連盟)の斉藤義孝さんから、「新保険業法による規制と自主共済のたたかい」と題した基調提案がありました(基調提案レジュメを参照)。
 斉藤さんは、「1.保険業法改正の背景と経過」、「2.新保険業法改正内容とその真の目的」、「3.そもそも『自主共済』とはなにか」、「4.自主共済の適用除外のたたかいと展望、意義」、「5.懇話会と自主共済のたたかいの特徴と意義」を柱に報告。3度に亘る議員立法が提起されたこと、174自治体に適用除外や経過措置期間の延長など自主共済を救済するための意見書採択を広げてきたことなどにふれ、この間、自主共済を守る運動が大きく広がり適用除外要求の実現に向けて情勢を切り拓いてきたと指摘しました。そして、運動を続け自主共済の適用除外を実現させよう!公益法人や労働組合、制度共済等と大同団結して、共済を守る運動を前進させよう!と訴えました。

 学習講演;「今日の共済規制問題と共済の復権―改めて『自主共済』の理解を―」

講演する相馬健次さん

 基調提案に続いて学習講演が行われました。
 共済研究会運営委員の相馬健次さんから、「今日の共済規制問題と共済の復権―改めて『自主共済』の理解を―」と題した講演があり、共済規制の歴史と今日の問題、現在の課題と今後の運動方向等について勉強しました。
 講演では、「はじめに―演題について」相馬さんの考えが説明されました(講演レジュメを参照)。そして、「1.保険業法の規制の範囲」と題して、(1)保険業法はどう変わったか、を改正前保険業法と比較して説明。(2)保険業法改正(06年4月1日施行)の目的と歪められた規制内容、として、国会議員や国民の思いとは別に、消費者・契約者保護から保険会社の利益保護に歪められてしまったと、新保険業法に関する経過と実態にふれました。次に「2.『自主共済』とはなにか」では、「自主共済」の6つの特徴を説明。「懇話会」はなぜ自らの共済を「自主共済」と呼んでいるかについても、項目を起こし参加者に問題提起されました。
 私たちは、これらの内容をしっかりと国会議員や自治体へ伝えることが必要であり、訴える際に「自主共済」について分かり易く説明して、問題の焦点とあるべき方向について理解を求めることが重要です。また、自主共済を、まったく無関係の「ニセ共済」と混同させかねない「無認可共済」という呼称が乱用されてきたことや、それを利用したネガティブキャンペーンが行われてきたことが市民の中に誤解を拡大してきましたが、これらに対抗して「自主共済」と自ら呼称し、自主共済の性格や歴史的存在理由を広く訴え明らかにする中で、「ニセ共済」と区別するよう求め、主張することが益々重要になっています。
 相馬さんは「3.多様な共済と共済規制」で、全国懇話会と地域懇話会、並びに労働組合をはじめ、運動に理解と賛同を寄せ、参加する諸団体とともに、自主共済の適用除外実現を目指す運動をさらに広げていくこと、そのためにも、さまざまな共済、運営団体があることを理解し、共済と共済を守る運動を一緒になって考えることが必要と強調されました。そして、「4.運動の進め方についての問題提起」では、「これまでの運動成果を基礎に『適用除外』の実現を目指すこと」が大事で、運動の上でゆるぎない確信とすることが重要と指摘されました。相馬さんは、これらを基本としたうえで、自らの想いとして、引き続き適用除外運動をさらに広げていくとともに、保険業法自体を改正前に戻すことが必要だと考えていることも紹介されました。新保険業法は、1995年に改定(1996年施行)された保険業法の「定義」を乱暴に変更した結果、今回の異常な事態を引き起こしている、と指摘されました。講演の「おわりに」相馬さんは、「共済復権」のために、協同組合共済、公益法人共済とも共同して前進しようと訴え、講演を締めくくりました。
 (質疑応答では、適用除外を求める運動をいっそう強調して取り組む必要や、「共済法」に対する考えや経験などが交流されました。)

  各地の積極的な行動や、困難な課題など多くの活動経験が交流されました交流

一つひとつの報告や発言が、集会参加者に勇気と元気を与えました

 午後の部は、全国商工団体連合会の安部誠三郎さん(東京商工団体連合会理事長)が午後の司会を担当しました。
 午後の部は午前中の質疑応答からはじめ、さまざまな活動の経験を交流しました。北海道、千葉、東京、神奈川、山梨、新潟、長野、静岡、愛知、三重、滋賀、京都、大阪、千葉、兵庫、島根、岡山、広島、徳島、福岡、大分、鹿児島など、全国の都道府県地域懇話会や地域懇話会準備会などから、また、労働組合や諸団体から、積極的な報告や発言がありました。
 地方議会対策や意見書採択運動での課題、県議会をはじめ市町村議会で意見書採択にこぎつけた経験。労働組合や諸団体と一緒になってすすめた活動。新たな地域懇話会の結成や署名・宣伝行動など、実に多彩な活動の経験が報告されました。どの報告も、自主共済を必ず守り抜く!強い決意がひしひしと伝わってきました。

適用除外求める運動を全国で広げようと訴える参加者

 全国の地域懇話会の皆様、参加・協力してくださった諸団体の皆様。多くの人々に訴えた経験を話してくださった皆様。本当にありがとうござました。経験交流の中で、自主共済に対する理解が広がっていること、新保険業法による今回の行き過ぎた規制への憤り、適用除外を求める運動を推進することが、全ての共済を守る必要性と運動に結びついたことなどが報告されました。本当に、一つひとつの活動が目に浮かび、励まされました。

 集会には、各党国会議員からメッセージや秘書の参加などもありました。途中、自民党の田村憲久議員(衆議院厚生労働委員長)が会場に駆けつけ、皆様方のような自主共済が守られて存続していけるよう力を尽くしたいとの決意も表明されました。会場に駆けつけてくださった国会議員・各党議員の秘書の皆様、メッセージ等をお寄せくださった方々へお礼申し上げます。引き続きご支援とご助力を賜りますよう宜しくお願いいたします。

  まとめと行動の提案

集会のまとめと、当面の行動計画(申し合わせ)を提案する渡邉文夫さん
 全国学習交流集会の締めくくりとして、全日本民主医療機関連合会の渡邉文夫さんから、「全国学習交流集会」のまとめの報告があり、続いて「自主共済の適用除外を実現するための当面の行動計画」(申し合わせ参照)が提案され、満場の拍手を持って承認されました。さらに参加者から、この「申し合わせ」に加えて、さらなる適用除外運動の発展とその先の展望や「共済法」等も研究課題に加えてほしいとの要望が出され、適用除外運動を推進する中で、討議、研究していくことになりました。
 司会者からは、前述の行動を含めて国会議員への陳情や地域懇話会づくり、自治体意見書採択運動を引き続き推進していくとともに、共済制度を運営する団体間の相互理解に努め、協同した運動を広げていきましょう!との訴えがあり結びとしました。






 全国学習交流集会で学んだ内容を糧に、これからの運動にともにがんばりましょう。